2.魔道書使い、奮闘?

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    「やれって言うんだったらやるよ?  俺が本気を出して、凌に怪我をさせるようなことは嫌だから手加減しただけだしね」     『はっ、怪我だと?  そんなもんは、自分の身を守ってから言うんだな!』      シキはそう言って笑うと、再びパチンと音を鳴らす。  宙に現れたのはいくつもの風の繭のようなもの。それらはわずかに水を含み、放電を繰り返す。     『安心しろ、殺しゃあしねぇよ』      も一度パチンと音が鳴り、皇にぃの足元からいくつもの土塊が伸びる。それらは皇にぃを取り囲もうと動く。     「凌、怪我させたらゴメンな」      もにもにと土塊が皇にぃを包んでいくなかで、皇にぃは静かな口調で呟いた。  皇にぃ、もしかしなくても本気で怒ってないかっ!?     「シ、シキっ!  こ、皇にぃ、本気だっ!」      あああああっ!  駄目だ、無理だ、絶望だっ!      怒った皇にぃは洒落になんないんだよ!  オヤジとタメ張れるくらいにっ!  俺はそれを端でずっと見てきたんだっ!     『そんだけ狼狽するつーことは、楽しめそうだな』     「だから楽しんでる場合じゃねぇつーの!」      俺がそう怒鳴ると、シキは『何があっても俺を離すなよ』と言って地面を蹴った。  
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