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身体はふわりと浮き上がり……って、こいつ、いくつの魔法を同時に使ってるんだよ?
あの奇妙な風の魔法と、皇にぃを閉じ込めてる土塊と、それから……これ。
冗談じゃねぇ。
普通の魔法使いなら一度に使える魔法はひとつだ。
これは常識だが、魔力を活性化させそこに強力なイメージを乗せる。それがどれだけのものなのかで、魔法の威力が変わってくる。
それに、一度にいくつもイメージできるわけがない。
なのにこの魔道書は現段階でみっつ。
こんな危険物を俺に押し付けるんじゃねぇよ、オヤジ!
『そろそろいいだろ、水素も溜まったころだしな。
燃えて塵になりな』
塵にちゃ駄目だろうがっ!
俺の心の絶叫が届くはずもなく、ふわふわと浮いていたそれらは皇にぃが包まっている土塊を目指してまっすぐ飛ぶ。
そして――爆音が響いた。
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