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「ちょっ!」
皇にぃを殺す気かよっ!
俺がそう怒鳴るより先に、俺を包み込むように風の繭が生まれる。
『其を守るは絶対的な風の刃』
「猛き矛に勝る堅き盾
矛を食らいてなお
揺るぎない盾とあらん」
シキがそう言うのと、皇にぃが言いながらこっちに向かってきたのはほぼ同時。
俺の周りの風の繭と、皇にぃが作り出した盾がぶつかって、再び爆発を起こす。
あの、俺、何が起こっているのか頭と目がついていかないんだけど。
つーか、皇にぃ、いつの間に?
「絶対零度の氷
鋭き剣先となれ」
『その身を焦がすは劫火
世界を滅ぼす大火なり』
だけどふたりは待ってくれる様子もなく、次々と魔法を唱えて――そのたびに大爆発を起きる。
これ、端でみてるとかなり凄い光景なんだろうなぁ。
なんて、現実逃避をしてもいいだろうか?
っていうか、させてくれ。
こんな魔法合戦は、俺にとっちゃテレビの中の世界なんだよ。
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