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『大地より生まれるは
鋭き爪を持ちし者』
急降下したかと思えば、俺の足がわずかに足についただけで再び上昇した。
な、何をしてくれるよっ!
『姿を成して意に従え』
今度こそ怒鳴ってやろう。そう思っているうちに、俺が足をついた辺りの地面が盛り上がっていく。
それは徐々に形を作っていく。
マジで何をしてんだよっ!
「土人形か、また面白いものを」
皇にぃはそれの正体がわかったのか、楽しそうに呟くと顔にかかった髪をかきあげた。
もの凄く、嫌な予感がする。
「なら、俺も応戦してあげないとだよな」
俺には聞き取れないほど小さな声で皇にぃは何かを呟く。すると皇にぃの頭上に水の塊が出来ていく。
昔、あれで水遊びをした記憶があるけど、今回はそんな目的じゃないだろう。
俺は思わず魔道書を強く抱きしめた。
だって、怖いし。泳げないわけじゃねぇけど、あれだけの水の塊は恐怖しか感じない。
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