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「見たでしょう? さっきの戦闘を。僕は、人間じゃありません。」
「で、でも…!!」
「これでも、僕が“本当のフィロ”だと言い切れますか?」
フィロはナイフを取り出し、左前碗に切り込みを入れる。
「な、何を…!?」
傷口から反対側の手を抉り込ませ、表皮を剥ぐ。
「ひっ…!!」
傷口から見えるのは、シルバーの金属板。
隙間からは、赤や青のコードが見える。
「う、嘘…!」
「嘘じゃありません。これは、列記とした事実。僕が人間ではないという証拠です。」
「うっ…!!」
悍ましいものを見たのか、カスミは思わず口を塞ぐ。
その時、フィロの携帯電話が着信を報せた。
「はい。」
『全地区の【戦獣】の破壊を完了した。すぐに基地に戻れ。』
「分かりました。」
通信を終え、電話を切る。
フィロは気分を悪くして蹲るカスミと、嫌悪の目で自分を睨むルカに目をやる。
「…ごめん…なさい…。」
そう呟くと、フィロは地面を蹴り、3階の建物の屋上までへと軽々と飛び上がった。
屋上からカスミ達の様子を暫く見た後、フィロは 建物から建物へと飛び移りながら 基地を目指した。
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