1089人が本棚に入れています
本棚に追加
「お疲れ様です、大尉!」
基地のテントに、ブリリアントグリーンのロングヘアーにピンクのリボンを付けた少女がやってきた。
「東地区の【戦獣】破壊、完了しました。」
「ご苦労だった。」
椅子に座っていたのは、青みがかったバイオレットの髪に青い瞳の長身の青年だ。
「あとは北地区のスノーリアとシェラさんと、スティーラ中尉を待つだけですね!」
「今 戻ったでぇー。」
続いて テントにやってきたのは、銀髪に金色の瞳の細身の青年だった。
「あ! おかえりなさい、シェラさん!」
「なんや、ミリスが一番乗りか。」
「えへへ~。私のが数十秒 早かったですね!」
ミリスは はにかんだ笑顔を見せる。
「遅くなりました~。」
シェラに引き続いてやってきたのは、アクアブルーの髪のお下げの少女だった。
「あ、お疲れ! スノーリア!」
「ミリス帰って来るの早いよ~!」
「なぁ、フィロは?」
シェラが問う。
「見てませんケド…。」
「いつもはスティーラ中尉が一番乗りで戻ってくるのに、珍しいですね。」
「遅くなりました。」
噂をすれば、フィロがテントに戻ってきた。
その表情は浮かない。
「珍しいな、お前が遅れるなんて。」
「そういう時だってあるよ。」
淡々と答えるフィロ。
するとシェラは、フィロの左前腕の皮が捲れている事に気付く。
「怪我したんか!?」
「平気だよ、これくらい。」
いつもより暗いフィロに、シェラは不安を隠しきれない。
「フィロ。」
椅子に座っている青年がフィロに声を掛ける。
「報告は後で聞く。先に人工表皮の貼り直しをしてもらって来い。」
「はい…。」
フィロは素直に返事をし、テントから出て行った。
「なんや元気ないな。ロイズ何か知っとる?」
「知らん。とりあえず、今いるメンバーで 各地区の戦闘報告をしろ。」
最初のコメントを投稿しよう!