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「左腕の傷、敵にやられたとちゃうやろ。」
「なんで そんな事 言えるワケ?」
「今は変色しとるケド、これは【戦獣】の体液やない。それに、まだ少し赤みもある。」
「………。」
「何があったんや?」
「…幼馴染みが、いたんだ。」
基地に近付いて来ると、軍人の数も かなり目立ってきた。
カスミは周りをキョロキョロと見ていた。
「珍しいですか? 兵士の方が。」
「うん。何せ、この街は あまり襲撃がないもの。田舎町だしね。」
「また何か困った事があったら声を掛けて下さい。私達ディドレット軍は、一般市民の方達を最優先に考えて活動してますから。」
「う、うん。」
「お疲れ様です! ベルウッド少尉!」
その時、数人の兵士達が整列し、スノーリアに敬礼した。
「お疲れ様です。クリスレイン大尉は どちらに?」
「はっ。クリスレイン大尉は現在 偵察の為、不在であります。」
「分かりました。スティーラ中尉のお知り合いの方をお連れしたので、一応 通した方がいいと思ったんですが、不在じゃ仕方ありませんね。通達ありがとうございます。」
スノーリアがニッコリ微笑むと、何故か兵士達の頬が赤く染まった。
― ………………………は?
カスミは不思議そうな顔をした。
「作業の手を止めて ごめんなさい。各自 持ち場に戻って下さい。」
「はっ!!」
ビシッと敬礼すると、兵士達は素早く散った。
― スゴいテキパキと…。てか、さっきのは何だったの…?
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