運命ハ動キ出シタ

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「…ちゃん! 姉ちゃん!!」 誰かが必死に自分を呼ぶ声に、カスミは目を開いた。 「…?」 ぼやける視界に映ったのは、金髪の髪をポニーテールにした少女だ。 「ルカ…?」 「よかった、怪我はないか?」 「うん、大丈夫。それより…。」 カスミは身体を起こし上げる。 周りが妙に薄暗い。 「私達、どうなったの…? 確か、“奴等”が…。」 「直撃せずに済んだみたいだ。」 2人がいるのは、瓦礫が積み重なり、空洞になった場所。 煤だらけになっているにも関わらず、幸いにも無傷だ。 「確か私達…。」 晴れ渡った青空の下、街の人は先の戦争で破壊された建物の復興作業をしていた。 そんな作業に、カスミとルカは毎日の様に手伝いに来ていた。 「お疲れ様です!」 カスミ達は 復興作業や家を失った人々に対する食糧の配布や支援を行う仕事をしていた。 「そろそろ君達も休んでいいぞ。ご苦労さん。」 「お疲れ様です。」 休憩に入ったカスミとルカは、近くに積んであった鉄骨に腰を掛け、お茶を飲んでいた。 「はぁ、なかなか終わんないね。」 「壊された建物、相当な数あるからな。」 「ま、校舎が直るまで私達 学校ないし、それまでに出来る事をするしかないわね。」 カスミは伸びをし、後ろにのけ反った。 寝転がると、青空が見える。 カスミは青空を、ただ ぼんやりと見ていた。 「…ねぇ。」 「何?」 「フィロに会いたいと思わない?」 「フィロ?」 「ホラ、私達がまだ小学校に入るか入らないかぐらいの時に引っ越しちゃった男の子。よく遊んだ あの子。」 「ああ、何もない所でコケたりしてたアイツ?」 「そこまで覚えてんの…?」 「なんてゆうか、印象深い奴だったから、覚えてる。」 「元気にしてるかなぁ~!」 「何年か前から 音沙汰ないよ?」 「戦争のせいで交通が麻痺しちゃってんのよ。慌てず焦らずよ。」 「前向きなんだか何てゆうんだか…。」
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