運命ハ動キ出シタ

5/26
前へ
/705ページ
次へ
「おい、聞いたか?」 通りがかった作業員の話が偶然にも聞こえた。 「今日、街にディドレット軍の【機械兵士(キカイヘイシ)】が派遣されるらしいぞ。」 「はぁ? “奴等”も来なさそうな こんな田舎町にか?」 「それも、かなりの手練れが揃った部隊らしいぞ?」 「こりゃまた。ま、頼もしいから いいケドさ。」 「【機械兵士】…?」 話を聞いたカスミが身体を起こし上げる。 「何? 【機械兵士】って…。」 「気持ち悪い…!!」 ルカが突然 暴言を吐いた。 「ルカ?」 「アイツらが来るなんて…!!」 「どうしたの、突然…!」 「姉ちゃんは知らないのか? 【機械兵士】。」 「うん、初めて聞いた…。」 「…機械の身体を持った兵士。人の形をした兵器だ。」 「サイボーグみたいなもの?」 「まぁ、例えるとな…。でも、私はどうしてもイヤなんだ…!!」 「なんで?」 「中には死んだ奴が そのまま【機械兵士】として蘇生されたってゆう奴もいるんだ。それが気持ち悪いんだ。」 「で、でも みんながそうとは限らないんじゃ…!!」 「人間の様で人間じゃない奴に守られるなんて、私は堪えられない!!」 「ルカ…。」 【機械兵士】に対する、ルカのあまりの嫌悪ぶりに、カスミは戸惑いを隠せない。
/705ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1089人が本棚に入れています
本棚に追加