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その時だった。
ウー!!
ウー!!
警報音が けたたましく鳴り響く。
「!!」
『東 約5㎞地点にて【戦獣(センジュウ)】を確認。一般市民は近くの避難シェルターへ。防衛隊は直ちに出撃して下さい。』
人々が逃げ惑い始める。
「ルカ、行くよ!」
「う、うん!」
カスミはルカの手を引き、走り出す。
その途端、巨大な影が地面に素早く走った。
「何…!?」
「姉ちゃん、あれ!!」
ルカが指差す方向に、巨大なカラスの様な物体が飛んでいる。
【戦獣】だ。
空を旋回すると、腹部が開き、そこから幾つもの爆弾が投下され、下の街を爆破する。
「っ…!! 急ぐよ!!」
カスミとルカは手を繋ぎ、シェルターに向かって走り出す。
が、その刹那。
【戦獣】の巨大な一つ目玉がギョロリとカスミ達がいた所に向けられる。
【戦獣】はカスミ達の元に向かい、巨大な嘴(クチバシ)をガパリと開く。
喉の奥から出て来たのは、機関銃だ。
「伏せて!!」
カスミがルカを地面に伏せさせた直後、乱射された機関銃の弾が付近の建物に撃ち込まれた。
その直後。
弾を撃ち込まれた建物が、グラリと揺れ、そしてカスミ達目掛けて倒れ込んできた。
「!!!」
伏せたままのカスミとルカは そのまま、倒壊した建物の中へと飲み込まれた。
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