155406人が本棚に入れています
本棚に追加
/389ページ
私は椅子に深く座り直し、深呼吸をする。
そして廃病院をクリックした。
瞬時に私のゲーム機の画面は、切り替わっていく。
そしてボロボロに朽ち果てた、薄暗い病院のロビーが表示された。
ちなみに私の操るキャラの背後には、マップの切目がある。
実質、ここがいざという時の脱出ポイントとなるのである。
私は画面の下方の文字表示部分を確認した。
視線は……まだどこからもきていない。
「……もうちょっと奥へ行かないと駄目か」
緊張をまぎらわす為に、思わず独り言がでてしまう。
私は敵を探すために、慎重に奥へキャラを歩かせた。
歩くと自分の回り以外が見えなくなり、暗闇に包まれてしまうのだ。
……この場所は廃墟化した病院。
そんなマップなのだから、親切に照明なんてつくはずもないのだ。
それがこの場所の不気味さを、更にあげているのは確かである。
最初のコメントを投稿しよう!