【廃病院/頭脳戦】

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私は尚美さんが指差した視線の先を、ゆっくりとたどっていく。 それは左腕の黒いゲーム機“ナイトメア”へ間違いなく向けられていた。 「この中に……?」 私の問いに、尚美さんはコクリと頷き、メモ用紙に再び文字を書いた。 【あなたが一番始めに倒した魔物が尚美】 見せられた紙を、私は声に出して読んだ。 一番始めに倒した魔物? 確か口裂け女……。 「ま、まさか……!?」 私は驚き、大きな声を上げる。 そしてとっさに、ゲーム機を起動させ、アメリーの部屋を覗く。 アメリーは布団にくるまり、呑気にペロペロキャンディーを舐めていた。 『……う?あ、舞!』 私を発見し、アメリーは嬉しそうな笑顔。 更に布団をくしゃくしゃに投げ捨てながら、テトテトと走ってきた。
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