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私は尚美さんに、激しく詰め寄る。
「最後まで味方でいれないって?なんなの、それ!?
じゃあ……いずれは私達を裏切るってこと?」
一方的な質問攻め。
違うと言って……!
心の中で私はそう祈る。
私の発言が終わると、尚美さんは悲しそうな表情で、首を左右に振った。
更に尚美さんは、持ってきたメモ用紙の最後の一枚を切なそうに見つめる。
そしてペンを持つと、力を込め文を書きだした。
文章が書き終わると、彼女はそれを目の前に差し出してくる。
【私は裏切るつもりはない。できれば力になりたい。
……だけど、私は所詮サイト側につくられた意識体。
最後まで自分の意識で動けるか、自分でも分からない。
これから先、私が手駒となりうる可能性も十分ある。
つまり、私は危険。
舞ちゃん、あなたは私を用心すべき。
……それが私の望みでもある】
紙を差し出した尚美さんの手が、酷く震えている……。
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