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思わず私は、杉浦さんのゲーム画面を覗き込んだ。
そこには、太一さんのステータス画面が表示されていた。
太一さんのアバターの足には、バツマークがついている。
これは神経機能の損失の印である。
杉浦さんは私の視線に気付き、顔をしかめてきた。
「……なんだよ?」
「あ、えーと……戦闘を見たいなと思ったんですが……駄目ですか?」
素直に尋ねてみた。
杉浦さんは一言呟く。
「……それ却下」
彼に即答されてしまった。
「そ、そうですか……すみません」
私は仕方なく、渋々自分の席へ帰る。
「……は?誰が帰れって言った?見るだけは却下。見たい奴は乱入してこいって意味なんだけど?」
そう言うと、杉浦さんはフッと微笑する。
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