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「……わっ!やっぱ、杉浦さんのスキルは凄いっすね」
太一さんが、朝霧さんのゲーム機を覗き込みながら呟く。
「え?これ、オートで発動するのか?えらい便利だな……」
朝霧さんが感心した表情で、それに答える。
「Aランク以下なら、一撃で倒せるスキルっす。
レアスキルっすよ」
「へ―…そうなのか」
朝霧さんと太一さんが、画面を見ながら話し合っている。
杉浦さんのスキルって、確か“暗殺”だっけな?
そんなに凄いんだ……。
私は期待をふくらませながら、ゲーム画面に目をやった。
━━━━━━━━━━━━━━
【1ターン目/杉浦慎二】
《!》オートスキル“暗殺”発動!
慎二は敵の背後に回り込む。
武器に力を込め、勢いよく敵の胴体を貫いた!
『ウギャアァァ!!』
殺戮人形は激しくのけぞり、悲痛な叫びをあげた。
【体力半減】
37500のダメージ!
《!》大ダメージ《!》
殺戮人形、意識喪失。
(体力)
殺戮人形
37500/75000
大幅減少
【追加】
1ターン行動不可能
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杉浦さんのスキルにより、一気に敵の体力が半減された。
更に敵の、1ターン行動不能のおまけ付きだ。
「……すっ、凄い、凄いです!なんですかこれ!?どうやったんです!?」
思わず自動的に、私の口から言葉が出た。
「……プッ」
杉浦さんは吹き出す。
「……どうやったんです?って言われてもな。オートスキルだから、俺は何もしてないんだけど?
てか、取り乱し過ぎだろ」
杉浦さんの言葉に、私はハッとする。
これは恥ずかしい。
「……な、成程。……ああ成程、そうですよね」
私はそそくさと、ゲーム画面に視線を戻す。
こっそり横目で杉浦さんを確認。
彼はよほどツボだったらしく、まだ笑いを堪えていた。
……は、恥ずかしい。
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