パーティ

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図書館前の廊下では、金山 零が借りたばかりの本を読みながら教室に向かっていた。 ふと顔を上げると2人の男子生徒がこっちに走ってくるのが見えた。 花菱 勝と大石 堅だ。 2人は近くまで来ると『よっ!』と声をかけてきた。 零はいつも冷静で頭もよく、整った顔をしている。 いわゆる完璧な美少年というやつだ。 ちなみに俺と堅とは小学校からの付き合いだ。 「どうした?」 零は俺達の方に歩きながら聞いた。 「お願いがあってさ。」 堅が真面目な顔で言う。 「何?」 「一緒にギルドに入って欲しいんだ。」 零は特に驚いた様子はない。 「本気で言ってるの? ‥‥勝も?」 零は俺に聞く。 「いや、俺は‥『勝もギルドに入るってさ。』 ‥‥あれ?俺そんなこと言ったっけ!? 俺は否定しようとしたが堅に阻まれる。 「‥‥勝もやるんだったら俺もやるよ。」 「よっしゃ!決定~。 教室行って話し合いでもしますか!!」 ‥‥零と堅は行ってしまった。 残された俺は妙な淋しさを感じた。 ‥‥まぁいっか! 零もやるんだったら俺も頑張らなきゃな。 俺は気合いを入れてから歩き出した。 その時、目の隅に茶色いコートを着た男が学校の案内を見ているのが映った。 俺は思わず振り返った。 ‥‥しかし、その男はもうどこにもいなかった。 俺は妙な違和感を感じながら教室に走った。
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