―野良犬―

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―2008年4月9日― 《ガン!ガン!》 深夜、薄暗い路地で鈍い音が繰り返されている。 《バキィイ!》 不良)「げはっ……!」 《バキィイ!》 不良)「ごほっ……!」 路地には、見た感じあまり良い印象を受けない高校生が、別の高校生に顔や腹部を殴られていた。 不良)「ま…待ってくれ…俺が悪かった…」 その高校生(ここでは不良と呼ばせて貰う)は、自分を殴っていたもう一人の高校生の足にしがみつき、許しを得ようとしていた。 《バキィイ!!》 不良)「っぁ……!」 しかし、その高校生は不良の顔面に何の迷いもなく拳を叩き付けた。 《ガッ!》 そして彼は不良の胸元を乱暴に掴む。 ?)「……二度と絡むんじゃねぇぞ… 雑魚が……」 彼は不良の耳元で小さく呟き、不良の胸元から手を離した。 不良)「けほっ…」 不良は、顔面や頭部からの出血が目立ち、腹部を押さえながら悶えていた。 ?)「……ふん」 彼は小さく鼻であしらうと、唾を吐いて路地を後にした。
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