作品説明

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「」は会話を。{}は心の言葉を表します。     ここは、そこに住む者達にグリーヴァーと呼ばれる大陸。真上から見ると三日月のような形をしたこの大陸には最初1つの王国があった。その名はギリアス。この国では後継者は現王が決める事となっている。が、いつの時代も長男が次期王となっていた。10代目の王には3人の息子がいた。病弱な長男ソクレス。自由奔放な次男マトレイ。勤勉な三男ラスア…というちょっと考えられないほど似た面を持たないこの兄弟に、現王は後継者を決めかねていた。その事がまた兄弟の対立に拍車をかけていたのは言うまでもない。 だがその時は訪れた。王の死である。王は結局自らの口から後継者を語ることなくその生涯を終えてしまった。悲しみに浸る王宮。次期王の政治が気になる王都の人々。 だがここで意外な事が起こった。王妃によって読まれた前王の遺言。そこにはただ一言だけ、こう書かれていた。 『次期王は三男のラスアとする』 当然次期王は自分に決まっていると思っていた長男である長男ソクレスは怒り、自分の側近を連れ北の都市リスルにて自分の国ソーディアを建てた。 ならば自分もといったところであろうか。次男であるマトレイは北の都市ダリーシアに行き、自分の国マディアナを建てた。 その後300年間、自国の領土を広げるための三国の争いは絶える事なく続いていた。 これは三国の一つ、ギリアスの西にある周囲を森に囲まれた村…トーティスに住む一人の少年の物語である………
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!