砕かれた信仰

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「ギリアム!撃墜頼んだよ!」  ラスティはそう言いながらディーバを牽制し、自分に注意を向けさせる。ディーバは惹き付けられる様にラスティの機体に襲いかかるが、次の瞬間にディーバのコアとされる胸の様な部分を撃ち抜かれて生命活動を停止した。 「よし!あと1匹……エリシア!10時の方向にディーバが逃げて行く。アイツを頼む!」  ギリアムは逃げて行く3匹目を牽制しながらエリシアに指示を出す。エリシアは既に3匹目の後方に付いていた。 「了解!私達から逃げられるなんて思わないで下さい!!」  エリシアの機体から白い粒子の翼が生えたかと思うと一瞬にして3匹目のディーバと距離を詰めて撃墜した。天使の様な印象を持つ機体だが試作機体になる。オルテンシア並びにモイラに配備されている機体は全てが試験運用目的に製造されており、オルテンシアの収集したデータを基にしてクラウス連邦は正式配備の機体を造っている。 「ディーバ殲滅を確認だ!オルテンシア小隊帰還するぞ!」  ギリアムはそう言って辺りに注意を払いながら後退していく。それに続いてラスティ、エリシア、アーネも後退する。 「嫌な予感がするわ……。」  アーネは胸を締め付ける様な感覚に囚われながら母艦モイラを目指していた。 モイラ艦内ブリッジ 「…っ!新たなディーバ反応を確認!!前方9時の方向……モイラのすぐ脇にシフトします!!」  通信担当の声がブリッジに響く。シルフィも目を疑いながらレーダーに目をやるが、現実は変わることなく警告を伝えてくる。 「約2分後にシフトアウトします!」 「オルテンシア小隊は!?」 「帰還まで約7分です!」 「くっ!残りドローン射出!!全砲門開け!!オルテンシアが戻るまで持ちこたえろ!!」  シルフィの怒号が響く。クルーはそれに応えながら残るドローンを6機射出した。 「私も迎撃します。」  ブリッジの入り口に黒髪の少女がパイロットスーツを着て立っている。シルフィはその姿を見て一言だけ彼女に贈った。 「頼むわリドリー……。」  リドリーと呼ばれた少女はそれを聞くと腰まである黒髪をなびかせながらブリッジから出て行った。 「病み上がりなんだから無理しちゃダメよ。」  シルフィはそれだけ呟いて再びレーダーを睨んでいた。
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