プライド

15/20

881人が本棚に入れています
本棚に追加
/239ページ
翌日事務所で、私は正式に嵐士の担当マネージャーになった。 タケルの表情は冴えず、やはり機嫌が悪い。 「俺、先輩に負けないような俳優になりますよ。て言うより追い抜きますよ」 急に嵐士は、タケルを挑発したような言い方をした。 「あっそ。マネージャーさん、時間的にまずいんじゃねぇーの?」 タケルは嵐士の言葉には乗らず、事務所を出て行った。 (タケル、大丈夫かな……) タケルの後ろ姿を見送っていると、 「芹架さん」 「えっ?」 後ろを振り返った時、嵐士は私のすぐ後ろに立っていた。 「やっと、俺のマネージャーになってくれましたね」 私は、すぐに一歩引き、 「えっ?どう言う事?」 この時、私は嵐士の事が少し怖かった。 「そのままの意味ですよ。俺、芹架さんに付いてほしかったし、それに、まだまだこれからですよ。一つ目標が叶いました」 そう言いながらも、嵐士の表情は笑顔でいる。 嵐士が何を考えているのか、私には全く検討がつかなかった。
/239ページ

最初のコメントを投稿しよう!

881人が本棚に入れています
本棚に追加