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「そ、そう。じゃ頑張んないと…ね」
「ええ、そうですね。でも俺の目的は別なところにあります」
急に嵐士に肩を掴まれ、
「俺ね、相沢先輩の事潰しに来たんですよ」
「えっ?」
驚いた顔をしていると、
「驚いたでしょ」
「どう言う事?タケルを潰しに?」
「ええ。だから手始めにマネージャーさんって思って。だって先輩、芹架さんの事好きみたいだから」
言葉が見つからなかった。
「俺、先輩の事嫌いなんですよ。びっくりしたでしょ。俺がそんな事思ってたなんて」
「なんで…、何でそんな事するの?」
「何ででしょうね?」
嵐士の腕を振り払おうとした時、
「お前何してんだ?芹架から離れろ」
事務所から出て行ったはずのタケルがそこにいた。
「タケル、どうしたの?」
「忘れ物取りに来たんだよ。それよりお前、芹架困らすような事したら許さねーからな」
タケルの言葉に、嵐士は鼻で笑っている。
「先輩には言われたくないですね」
「チッ」
タケルは舌打ちをすると、私の腕を引っ張り事務所の外へと出た。
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