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映画の撮影に入る嵐士を、私は事務所まで迎えに行た。
(ハァ~、気が重い)
急に何をしてくるか判らない嵐士の行動は、私を余計に疲れさせていた。
「おはようございます」
事務所に着くと、嵐士はすでに来ておりスタッフと話をしていた。
「あっ、おはようございます。芹架さん」
「おはよう」
出発する前にデスクの上を整理していると、
「ちょっと、芹架」
後ろから凄い勢いで花南さんが近付いて来た。
「どうしたんですか?」
「どうしたんですか?じゃないわよ。あいつ、どうなってんのよ。人の言う事は聞かないし、朝は起きて来ないし、出演者は怒らすし、芹架、あんたどういう教育してきたのよ。あー、あいつと組んでると凄いストレスになる」
花南さんは言いたい事を、一気に私にぶつけてきた。
「花南さん、落ち着いて下さい。タケルには私から話してみますから」
「本当、頼むわよ」
そう言って、事務所から出て行った。
(タケル、大丈夫かな?)
お互いメールはするものの、忙しさもあって声を聞いていなかった。
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