サチ②

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「ちょっといいかな?」 私達が他愛の無い会話をしていると結花ちゃんの彼に声をかける人がいた。 私が目をあげると… 遅れて来たあの男の子だった。 「君,強いね? 他の大会とか出てるの? どこかのサークルに所属してるとか?」 男の子は結花ちゃんの彼に質問をする。 「いやいやっ、今日はまぐれですよ。 大会とか出たこと無いし。 今夜はたまたまインターネット見てデートがてらに出てみたんだ。」 彼は笑顔で答える。 「まさかっ? ハハハハッ… それは凄いね,たまたまでしかもデートのついでで優勝しちまうなんて。 面白いね,一緒させて貰っていいかい?」 男の子はそう言って私の隣に座る。 「藤崎さんジーマ3つ。 後、オレンジジュースでいいかな?」 男の子はいきなりオーダーをする。 「はじめましてだから俺から一杯づつ奢らせてくれ。 俺は《牧村 純》。 純って呼んでくれ。 君は?」 男の子は彼に聞く。 「はじめまして、せっかくだからご馳走になるよ。 僕は《南場 享》。 歳は今年25。 仕事はインテリアメーカーの営業してるよ。」 彼はドリンクに口をつけながら自己紹介をする。 「享くんね、俺の年上なんだ? 若く見えるね。 俺は今年22歳。 隣の人が彼女かな? はじめまして。」 男の子…いや、牧村くんが結花ちゃんに目を向ける。 「……はじめまして。」 結花ちゃんはさっきとうって変わって真顔になり小さく呟いた。 「んっ?聞こえない? 何さん?」 牧村くんは訝しげな顔をして聞き返す。 「あっ、ごめんごめん、純くん。 こいつ極度の人見知りなんだ。 男に対して。 悪気は無いから。 名前は結花、酒入れば話始めるよ。 歳は23。 宜しく。」 結花ちゃんの変わりに彼が紹介をする。 「……。ょろしく。」 結花ちゃんはそう呟いて彼の手を握っていた。 「じゃあ…次は君。 君も人見知りじゃないよね。」 牧村くんは苦笑いをしながら私の方を向く。
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