サチ②

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「へぇ~じゃあの癌センターの看護士さんなんだ? 国際展示場の所だよね? 奇遇だね? 俺はお台場に住んでんだ。」 結花ちゃんがめっきり話さなくなったから話題は私に集中した。 「ははっ…お台場のあの億ションあるところ? もしかして牧村くんってお金持ち?」 私は程よく酔っていつもより気軽に話せた。 「金持ち…では無いよ。 たまたまさ…たまたま。 それよりおつまみ欲しいね。 藤崎さんチーズの盛り合わせ。」 牧村くんは話をそらす様にオーダーをする。 「………そろそろ…。」 結花ちゃんが彼の袖を引っ張ってそう呟く。 「あっ、もうこんな時間だね。 僕らちょっと遠くに住んでるからもう上がるね。」 そう言って彼が立ち上がる。 「えっ?もう上がるの? 享?次の大会も出てくれよ? 次回は負けないからな? 」 牧村くんがそう言って彼に手を差し出す。 「おうっ!またね! 次は純が勝つよ。」 そう言って2人は帰って行った。 と思いきや結花ちゃんが私にコースターを渡してまた逃げる様に走って行った。 <あたしのメアド 電話は苦手だからメル友になってね! joy-i-×@×.ne.jp> 可愛い字でそう書いてあった。 「見事に俺、嫌われてたなぁ…。 生まれて初めてだよ。 女性に拒否られたの。」 牧村くんがそう言って髪をかきあげた。
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