19人が本棚に入れています
本棚に追加
「へぇ~じゃあの癌センターの看護士さんなんだ?
国際展示場の所だよね?
奇遇だね?
俺はお台場に住んでんだ。」
結花ちゃんがめっきり話さなくなったから話題は私に集中した。
「ははっ…お台場のあの億ションあるところ?
もしかして牧村くんってお金持ち?」
私は程よく酔っていつもより気軽に話せた。
「金持ち…では無いよ。
たまたまさ…たまたま。
それよりおつまみ欲しいね。
藤崎さんチーズの盛り合わせ。」
牧村くんは話をそらす様にオーダーをする。
「………そろそろ…。」
結花ちゃんが彼の袖を引っ張ってそう呟く。
「あっ、もうこんな時間だね。
僕らちょっと遠くに住んでるからもう上がるね。」
そう言って彼が立ち上がる。
「えっ?もう上がるの?
享?次の大会も出てくれよ?
次回は負けないからな? 」
牧村くんがそう言って彼に手を差し出す。
「おうっ!またね!
次は純が勝つよ。」
そう言って2人は帰って行った。
と思いきや結花ちゃんが私にコースターを渡してまた逃げる様に走って行った。
<あたしのメアド
電話は苦手だからメル友になってね!
joy-i-×@×.ne.jp>
可愛い字でそう書いてあった。
「見事に俺、嫌われてたなぁ…。
生まれて初めてだよ。
女性に拒否られたの。」
牧村くんがそう言って髪をかきあげた。
最初のコメントを投稿しよう!