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それは11月のある晴れた日…
私は日勤を終えて同僚の夏奈子と銀座に遊びにいく予定になっていた。
「たくっ嫌になっちゃう。
面倒臭いよね。203号室の仲多度さん。
婦長も手間かかるから私に担当押し付けたんだよ。
絶対。」
夏奈子は開口一番愚痴を溢す。
「ははっ…きっとそうだよ。婦長そういう人だもん。」
私も何気なく相づちをうつ。
「早智恵はいいよね?
婦長に気に入られてるから…。 」
夏奈子はそう言ってむくれる。
「そんな事ないよ。
でも夏奈子は直ぐにぶつかるから。
この間も婦長と喧嘩したでしょ?」
私はそう言いながらタクシーを拾う。
「だって理不尽なんだもん。
私は正しいと思う事言ってるだけだよ?
早智恵は言わなすぎ。」
夏奈子はそう言って私の頭を撫でて笑った。
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