第一部【赤髪と優等生】

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まず二人の最初について話そう、それは亮が中学校に上がったばかりの時。 入学式でこそ普通の(黒髪)格好だったが、新学期の初日から亮の髪は真っ赤であった。 ここまで書くと解るかも知れないが、“事”とはそんな大袈裟なモノではなく…ベタな感じだった。 つい先日まで小学生だった奴が、中学一年にして赤髪なのである。 簡単に言うと、亮は2・3年生の先輩に目を付けられていた。 しかしそんな事は予想出来る範囲であるし、亮自身血の気が多いタイプだと自覚しているので、むしろ望んだ結果だった。 話を戻すが、亮が入学して3日目…、下校途中に4人の男達に声を掛けられた。 制服は学ランだったので、パッと見何年生かは解らないが…十中八九上級生だろう。 亮は面倒くさいと思う反面、少しワクワクしながら4人に近づいた。
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