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「おはよー。まぁちゃん。」
私をまぁちゃんと呼ぶのはただ一人。陽太だ。
玄関までいつものように、迎えに来てくれた。それも今日までと思うと、ちょっと切ない。
「おはよ、陽太。」
ちょっと元気なさげに言ったかな。それが伝わった見たいで、顔をうかがってから、陽太はにっこり笑った。
「まぁちゃん、卒業おめでと。」
はぁ、なんて可愛い笑顔なんだろう。それがとっても愛しい。
それに答えるように、私も笑う。
「ありがと。」
二人並んで学校へ歩く。いつもの道、いつもの風景、いつもの笑顔。でも今日で最後。
一年生のときはワクワクとドキドキの道。
二年生のときはちょっと先輩になった気がしてはしゃいだ道。
三年生になって、陽太と二人笑いあった道。
歩いた。そんなことを想いながら…。
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