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仁『かずや?大丈夫だから。先生と話したら俺もすぐに行くから、なっ?』
不安で揺れる瞳を見てしまうと、離れることにためらってしまうけど…。
俺と智久で、警察の話をするまでは他の人からかずやの耳に入れたくはなかったんだ。
仁『なっ?ほら、智久一人で淋しがってるかも。行ってやって』
名残惜しそうに俺の服を離して、かずやが部屋を出ていった。
先『あの…失礼かも知れませんが、かずやさんとはどういったご関係ですか?』
仁『………友人です』
嘘は言ってない。もう俺とかずやは友達だから。
先『しかし…』
仁『おっしゃりたい事は分かってます。警察に届けないといけないんですよね?でも、今かずやは自分が誰か分からない不安やこれからの事なんかで、すごく不安定になってるんです』
先『確かにそうかも知れませんね』
仁『多分、今俺や待合室で待ってるもう一人の奴だけが安心できる場所なんです!だから、俺達にまかせては貰えませんか?本人にちゃんと話して…それから届け出しますから』
“今のかずやを俺達から離さないで下さい。”
少し考えていた先生だったけど「分かりました」と笑顔で答えてくれた。
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