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結局思った以上に眠り深かったようで、目が覚めた時には夜が明けかかっていた。日が昇り始めた海は空がムラサキがかって綺麗で…
和也が好きだった景色をしばらく一人で眺めていた。
「ワンッ」
開けっ放しにしていた車からランが飛び出してきた。
ランは和也が飼っていた犬。和也の死後、おばさんに頼み込んで譲り受けたんだ。
仁『ラン、散歩いこっか?』
リードを付けて砂浜へと歩きだした。
智久はまだ起きる様子もないから、コンビニで朝飯でも買ってこよ
目指すコンビニまで少し距離もあり、人もまだいないからとランのリードを外してやって自由に走り回れるようにした。
仁『あんま離れるなよ~』
楽しそうに走っていくランを見ながら自然と笑みがこぼれる。
最近忙しくていい加減な散歩しかしてやってなかったからなぁ💧
「ワンッ…ワンワンッ」
……ん?
波打ち際に何かを見つけたランがそれに向かって吠えていた
何だ…あれ?………人!?
ランのもとに近づいて行くと確かにそこには打ち上げられたように倒れている人がいた。
仁『おいっ…あんた大丈夫か?』
抱き起こした人を見て息を飲んだ
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