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そんなはずない…だって…
仁『………和也?』
倒れていたその人は髪の長さや色までも3年前の和也と同じで…
目の前で落ちていく和也を見てなかったら、人伝いに和也の死を聞かされていたら
「あぁ…やっぱり死んだなんて嘘だったんだ」って思えるくらいに、今助けようとしている人は和也だった。和也に似てた。
仁『おいっ、なぁ、しっかりしろ!』
軽く揺すってみても目を開ける気配はない。
…こいつ…息してない!
ありったけの知識をフル稼働して、人工呼吸と心臓マッサージを繰り返す。
助けなきゃ。和也じゃないって分かってるけど…今度は助けないと。
無我夢中で繰り返し、もうダメかもって思いかけた時。
『ゴホッ…ゲホッ』
水を少し吐き出して、苦しそうにむせてはいたけど、とりあえずは息を吹き返したようだった
ゆっくりと目を開けて呼吸を整え始め、ようやく意識もはっきりしてきたみたいだった。
仁『大丈夫?こんな朝っぱらから溺れたの?』
『うん…多分平気。あの…ここはどこ?』
へっ?
『あなたが助けてくれたの?』
仁『…まぁ、倒れてたからね』
『…俺は誰?』
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