816人が本棚に入れています
本棚に追加
小山の言った通り、かずやの催眠治療はトントン拍子で進んでいき、1週間が経とうとしていた。
病院から帰ってくるかずやは少し疲れた様子ではあるけど、俺や母さんに心配かけないようにか、いつでも明るく振る舞っていた。
そんなある日…小山から呼び出しを受けた。
どうやらかずやはもちろん智久にさえも秘密で、2人だけで話がしたいらしい。
…余程の事なんだろうな…
指定されたファミレスに着くと、強ばった顔で俯いている小山。
不安をかき消すように努めて明るく話しかけた。
仁『いきなりどうした~。何の用だよ』
慶『あぁ…うん。』
店員のお姉さんにコーヒーを頼み、煙草に火を付けてから話し出すように促した。
慶『あのさ…赤西。お前にも黙ってたんだけど、かずやくんの催眠治療と同時に身体の検査もやったんだ』
仁『また?だって…かずや見つけてすぐに病院連れてって一通りの検査受けさせたよ?』
慶『分かってる。最初は後遺症を心配しての検査だったんだ…』
仁『………それで?』
1つ息を吐いて、顔を上げた小山が話し出した。
慶『まずはお前に聞きたい事がある』
最初のコメントを投稿しよう!