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そおっとリビングのソファーに移動して、母親と料理を作ってるかずやを眺めていた。
和也もこうして2人でキッチンに立ってたよな…
今のかずやの姿に昔の和也が重なり、涙が溢れそうになる。
か『じん?どうしたの?』
仁『…ん。何でもない』
頬に雫が落ちてしまわないように上を向きながら答えた。
母『仁。もうご飯出来るから、先にお風呂入っちゃいなさい。かずやくんはこっち手伝って』
母ちゃんはすべてを見越しているようで、泣きそうになってる俺からさりげなくかずやを引き離してくれた。
かずやに余計な心配かけちゃ駄目だよな…
仁『おしっ!入ってくっか!かずや、うまいの頼むな!』
精一杯の笑顔をかずやに向けてから風呂に入った。
明日…小山に聞いたら、何か変わるかもしれない。
かずやの治療の進み具合を聞くだけでも…声の事を聞いてもらうだけでも、変わるかも。
明日小山から聞かされる事実など知るよしもなく、ただかずやと普段通りに楽しく過ごしていた。
まさか…あんな事実が待っていたなんて。
思いもしなかったよ
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