一枝

2/8
前へ
/52ページ
次へ
季節は春。 そして淡い ピンク色の桜が 勝ち誇るように咲いている。 一年中 ただ、この時を待っていた… この時の為だけに頑張った。 だから… 体内から 幸せが込み上げているのだろうか…、 隣の桜は 誇らし気に でも、ちょっとはにかみながら笑ってる。 …知らなかった…。 女の子って… 若い時に死ぬと花になるらしい。 花というか 花の精? 花が本体で 幽体離脱したのが精みたいな? うーん… 死んだら 終わると思ってたのに、おかしいなぁ…。 「あのさ。」 突然の声にビックリした。 見ると隣の桜の精?の、ゆぅ(勝手に命名そして 呼び続けたら 返事をするようになったので これでよしっ✨) 「おはよーゆぅ。」 「どうして咲かないの?」 またか…。 …その質問四回目だよね… ビクッ と彼女がしたのがわかる、 私、顔こわかったかな💦 「ごめん」 「いいの、私は咲かない。」 サラッと笑顔で答えると、 がしぃ💦 と抱きしめられて… 「どうして? 体に虫がついたの? 栄養足りないの? 陽当たりわるいの? 根本に水がいかないの?」 …きた…質問責め…。 「うーん…そうじゃなくて…」 ゆぅのフワフワの髪 越しに向かいの病院が見える。 三階の右端の窓…ソコに…、 ナゼか、 私は ネテイル。 そうナゼか、 私はまだ、病院のベッドに寝ているのだ… でも…桜の精になり、花を咲かせていなくてはならないらしい…。 …さて、さて、どうしよう。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加