あの時あの瞬間に

2.

うちの学校は結構有名な進学校で、ｸﾗｽは成績順にA～Gまである。
毎年ｸﾗｽ替えはするが、Aｸﾗｽだけはﾒﾝﾊﾞｰがよほどのことがない限り、入れ代わらない。
舞も亜梨沙もそのAｸﾗｽの一員だった。

｢あ…またAだ…｣
｢私もAだよ!!舞ちゃんまた一緒だね!!よろしくー｣
亜梨沙が自分のことを気にかけてくれているのは分かるが、どうしたら良いか分からない舞は苦笑いを返した。

(あれ…知らない名前…男の子??)

もう1度掲示板を見ると、見覚えのない名前があった。
本堂拓斗(ﾎﾝﾄﾞｳﾀｸﾄ)

気が付くと、亜梨沙は友達を見つけたようで、その子の方へ駆け寄っていた。
(武藤さんの友達来たんだ…良かった。1人になりたい。)

私はそのまま、裏庭の方に歩いて行った。