9029人が本棚に入れています
本棚に追加
/201ページ
「桜……どうした?」
「い、いえ……なんでも……ないです。」
なんだかげた箱に目をやるとさっきから元気じゃないのにさらに落ち込む。
俺は不思議に思い桜のげた箱をのぞき込んだ。
………………。
「なんで……上履きがないんだ?」
自分自身誰に問い掛けたのかわからない。
「た、多分私が入れ忘れて落とし物扱いになったんですよ。……ははは私ドジですから……。」
桜は靴を右手に持ち左手で上履きを取って右手でげた箱に靴を入れる。
上履きでも同じ。
そんなことをする桜が万が一にも入れ忘れるようなことをするのだろうか。
まさかお前虐められてるのか?……なんて聞けるはずもない。
「ったくしょうがねえなあ……ほら乗れよ。」
彼女の前でしゃがむ俺。
「え……でも……。」
「いいから。どうせ職員室でスリッパ借りるだけだしさ。」
桜はそわそわしながら俺に体を任せた。
桜は亜紀姉ほどに無いにしろ胸がそれなりにある。
姉妹を引き合いに出すのは俺の経験のなさのせいだろう。
柔らかい感触と手に太もものふにふにかんが伝わる。
「桜……お前って結構胸あるよな。」
「触っても……いいですよ?」
「耳元で囁かないでくれ。ゾクゾクするから。」
最初のコメントを投稿しよう!