9029人が本棚に入れています
本棚に追加
/201ページ
いつものように準備体操をペアでやる。
勿論俺は洋平となのだが桜をみると何故だかやはり1人。
なんでだ。
「なあ洋平……桜っていつも1人なのか?…クラスに2、3人友達いるよな?」
「いやいつも1人だ。まあ知り合いはいるだろうけど友達は俺達だけだろうな。」
「そうなのか……洋平悪いな今日は桜と組んでくるよ。」
遠くからしかみえないが桜の表情は暗い。
なんだか側にいてやりたくなるこの胸の高まりはなんなんだ。
「おう。俊介……ちゃんとしてやれよ。」
うん、と答えて桜の方に向かう。
近くになるに連れて彼女表情はやはり暗いと改めて確信する。
なんで誰も声掛けてやらないんだ。
もしかしたらお嬢様だから近寄りがたいとか?
「よお桜さん。」
テンションを若干上げて話しかけた。
彼女は軽くビクついてこちらに振り返り俺だと確認すると表情を綻ばせる。
「俊介さん……どうしたんですか?」
「今日は桜と体育を楽しもうと思ってね。」
「え……で、でも洋平さんいますし……それに……。」
男女のペアはいないから勘違いされるとか冷やかされるとか言いたいんだろうな。
「俺とじゃいやか?」
「そんなことあるわけないですっ。」
「なら問題ないだろ。ほら。」
俺がそう言って彼女の手を取ると頬を緩ませてから抱きついてきた。
最初のコメントを投稿しよう!