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私が要の思考に頭痛を起こして頭をうなだれて居ると不意に要の暖かい手が軽く私の頭を撫でる。
その感覚は酷く懐かしくとても心地いい。
小さい頃はよく母親なんかに撫でられていたけど大きくなった今では全くなくなっていた。
忘れていたこの感覚はとても心地がいいもので、それが要に与えられた感覚なら尚更心地良くて嬉しく感じた。
「泣くな…」
私が頭をたれていた理由を取り違えたのか要の口からは意外な言葉が告げられた。
「…頭が痛いだけよ…。」
ため息と一緒に悪態を吐く。
心地良さに一度は忘れた頭痛が再び襲いかかってきた。
この私が二次元に負けるだなんて…。
「薬持って来ようか?」
相変わらず優しく私の頭を撫でながら言う要を私はうらめしそうに睨む。
悪態にも勘違いを貫き通す要が少し憎い、その何百倍も要の優しい気持が嬉しい。
たとえずれた優しさでも、私を気付かってくれた要が嬉しい、その気も無いくせに優しくしないでよ…。
「大丈夫よ…」
切ない気持から自然と声は小さくなりかすれる。
「本当に辛いなら俺ベッド下りるから休んでいいぞ?」
私は再び要を睨む、優しさが今は何だか妙に切ない。
私は要の部屋を見渡し決意を固め要の肩を掴み要の目を見つめ口を開く。
「私決めたから、絶対要を振り向かせてみせるっ!」
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