幸せの音色

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幸せの音色

靴紐をむすんだ俺は玄関を出た。 辺りは昨日の銀世界から変わってなかった。 今朝の夢を思い出す。 「今日だな…」 "さよなら"と"また明日"を繰り返す一日がまた始まる…。 病院まではけして近いわけではない。 だがなんとなく今日は歩いて行こうと思った。 雪を踏む独特の感覚を感じながら両手をポケットにしまい、静かな雪の並木道を歩いた。 「……ふぅ」 彼女にあげたお揃いのマフラーの片方を首に巻き、白い息を空に放った。
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