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売り上げは一号店も二号店も変わらないが、お客のアンケートを見ると、全く評価が違っていた。
接客ではほぼパーフェクトな一号店に対し、接客の評価が最悪な二号店だった。
飲み物をそんなに飲みたくないのに、強引に飲み放題にされた、とか、マニュアル言葉で温かみが感じられない、笑顔が全く見られないと散々書かれていた。
「…。売り上げさえ上げていれば問題ないでしょう?」植田は自分は何も間違っていないから、義美の一方的な意見だと思い、腹が立った。
「そう言うなら、2週間の間、一号店の副店長にここに来て貰う。逆らったら、店長から降りて貰う」
「…。わかりました。オーナーがそこまで言うのであれば、さぞかし素晴らしい副店長なんでしょうね」植田は皮肉な笑みを唇に浮かべた。
「…。せいぜい、君も頑張るといいよ」義美は紗香の顔を思い浮かべながら言うと、事務所から出ていった。
自分とした事が…。
植田は冷静さをなくした自分にイラついた。
一号店の副店長が来る2週間は、気を抜かないように、明日のミーティングでバイト達に言わないとな。
植田はデスクに残されたアンケート用紙を、引き出しの一番奥にしまいこんだ。
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