ある晴れた日に

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君が好き 側にいてよ だから だから死ぬなんて言わないで  大好きだったあの歌が流れてきた。 この歌詞のようなことを言われたことなんて、今まであっただろうか。 あの日から、親には腫れ物を触るように扱われ、学校からは見放され、将来は真っ暗な未来。 あの日にタイムスリップ出来たら、間違いなく私は学校を休んだだろう。絶対に。  あの日から死のうと、何回考えただろか。 もう忘れてしまった。 それくらい多いのか、と思うと悲しくなった。    そうだ、こんな月に一回あるかわからない、素晴らしい快晴の日。 死ぬのにぴったりじゃないか。 もう生きていたって意味がないんだし、私が私を終わらせるためには、最高のこの日に実行しよう。 さっきのアナウンサーも、ぴかぴか光る太陽も、ふわふわ浮かぶ雲も、真っ青な空も、iPodから流れくるこの歌も全て私が死ぬために、力を貸してくれていたのだ、と気付くとにこにこと笑みが溢れる。
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