ある晴れた日に

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 階段を降りて、一階に行くとしんと、静まっていた。父と母と姉で出かけたのだろう。置いていかれるのなんて、いつものことだ。もう慣れてしまった。それに、今日は誰もいないほうが都合がいいような気がする。私が死んだら、家族は悲しんでくれるのだろうか。ふとそんなことを考えた。    お風呂場で、ぱぱっとパジャマと下着を脱いだ。顔から眼鏡を外して、そっと洗濯機の上に置く。  熱いシャワーを、頭から浴びて嫌な匂いや汚れをとる。香りのよい石鹸で、体をごしごしと洗って、いい匂いを身に纏う。  髪も汗でべたべただから、熱いシャワーを頭にたっぷりかけて、ごしごしと何回もシャンプーで洗った。髪をさらさらにするために、リンスもちゃんとした。髪もいい匂いになって、嬉しい。
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