序章

6/17
前へ
/227ページ
次へ
あれから1ヶ月が経とうとしていた。 「おい聖也」 俺の親友である春日琢磨(カスガ タクマ)が家に来ていた。 俺はと言うとあの日以来脱け殻状態になっていた。 「やっぱおまえが居ないとクラスは盛り上がんないぜ…」 因みに、自慢ではないが俺と琢磨はクラスのムードメーカー的な存在なのだ。俺の場合は過去形になるが。 「………」 「あんな元気だった優里ちゃんだっていつもボーッとしてるし…」 「その名前は…言うなよ…」 俺はあの時の告白が頭から未だに離れないでいた。 「好きなんだろ?」 琢磨が言った。 あぁ好きさ、今学校に通えりゃ即と行って抱き締めてやりたいくらいだ。 「今の俺にあいつを幸せにする力はねぇよ…」
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

166人が本棚に入れています
本棚に追加