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そしてその日の一時限目が終わり、10分休憩の時間になった。
宗谷が次の授業の用意をしていると、美音が駆け寄ってきた。
美音
「宗谷♪」
宗谷
「…お姉ちゃん、テンション高いね?」
美音
「うん♪…宗谷、私の事名前で呼んでよ」
宗谷
「え?なんで?」
美音
「だって、学校で同じクラスなのにお姉ちゃんって言われると、なんか年を感じちゃって💧」
美音は、あはは~と苦笑いを浮かべながら頭を掻きながらそんなことを言った。
宗谷
「そう?なら美音って呼ぶね?」
美音
「うん。その方が良い♪」
宗谷
「分かったよ、美音」
宗谷に名前で呼ばれると少し照れたので、美音は話題を変えた。
美音
「あはは~。あっそうだ!宗谷、お昼ご飯一緒に食べよ?」
宗谷
「うん♪」
キーンコーンカーンコーン…。
その時、授業開始のチャイムが鳴ったので、話を終えて美音は席に戻っていった。
――美音、か…。
宗谷は改めて姉の名前を呼ぶ事になったことを少し嬉しく感じていた。
なぜなら、宗谷にとって初恋の相手である姉との距離を一番感じていた『お姉ちゃん』という呼び方があまり好きになれなかったから。
一番近くに居るのに、恋愛に限っては一番遠い存在になる兄弟という関係。
この世界でも、それは変わらないのだろうか…。
美音と恋人になれたら…。
と、そこまで考えてハッとした。
宗谷
「…なんて事を考えていたんだ僕は…僕には百合が居るのに…。」
一人机に突っ伏す宗谷であった。
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