序章

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??? 「宗谷…おいで、宗谷…」 ――どこからか、懐かしい声がする。 この声は確か…。 宗谷 「…お姉ちゃん…?」 それは、まだ宗谷が9才の頃。 当時14才だった姉が居た。 名前は美音(みおと) 宗谷にとって大好きだった姉。 優しくて、頼りがいがあって、当時、気の弱かった宗谷は常に姉の後ろに隠れて居た。 だが、そんな日々はある日、唐突に消えてしまった…。 それは、とある秋の日。 宗谷と美音はいつもと同じように二人で買い物をしていた。 宗谷 「お姉ちゃん、待ってよ~」 美音 「はいはい、宗谷は歩くの遅いなぁ」 宗谷 「僕は遅くないよ、お姉ちゃんが早すぎるんだよ」 美音 「はいはい、じゃあもう少しゆっくり歩いてあげるから。ちゃんと着いてきなよ?」 そう言ってお姉ちゃんが、手を繋いでくれた。 宗谷 「うん!」 この時の僕は、まだ人の死について、よく分かっていなかった。 だからこの日の帰り道、まさか僕にとって一番大事な人が、死ぬ事になるなんて想像もしていなかった…。
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