33人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
最初の10分間はみんな軽い練習をして、それから試合となった。
最初の相手は聖斗と冬華のペア。
二人はあまり卓球経験が無い、素人同然の腕前だった。
始めの1セットだけは、宗谷がまだ感覚を取り戻せていなかったということもあり、『11-6』とそれなりに点を取られもしたものの、素人では経験者相手に勝ち目は無かった。
2セット目には、宗谷もだいたいの感覚を取り戻し、『11-2』と余裕で勝ち、3セット目は0ゲーム(11-0)で勝利を修めた。
美音
「やったね♪」
宗谷
「うん、始めのセットはちょっと緊張したけど、慣れればまぁ…余裕…だったかな?」
聖斗
「二人とも強すぎ!」
冬華
「少しくらい手加減してくれてもいいと思うんだけど?」
宗谷と美音ペアに圧倒的な差で敗けた二人はなんとも恨めしそうな目で宗谷と美音を見据えている。
美音
「…え?手加減したつもりだったんだけど…ねぇ?宗谷」
宗谷
「まぁ、本気は出してない…よ?」
二人の言葉に、聖斗と冬華は肩をがっくり落とした。
聖斗
「はいはい、どうせ俺たちは雑魚ですよ!」
冬華
「嫌味じゃなくて、素で手加減したって言われるのもなんか悔しいぃ!」
聖斗と冬華は負け犬のように去っていった。
最初のコメントを投稿しよう!