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僕達は近所にある小さなコンビニに夕飯の買い出しに来ていた。
美音
「宗谷は、今日は何食べたい?」
宗谷
「う~ん、…ご飯!」
美音
「いや、もっと具体的に…💧」
宗谷
「ケチャップ!」
美音
「…ケチャップ?」
宗谷
「うん。ご飯にかけて食べる!」
宗谷はこの時はまだケチャップが好きだった。
朝昼夜全部の食卓に何かしらケチャップの料理が3つ以上はあるくらいに。
美音
「それはダメ!栄養がまるで無いし、それを食べてる所を見ながらご飯食べると気分悪くなりそうだから」
宗谷
「えぇ~!?」
本気でご飯にケチャップという組み合わせで、食べたがってる宗谷に、美音は一つ溜め息をした。
美音
「ケチャップは買うけど、今日はオムライスにするからね?!」
ビシッ
人差し指を宗谷に向けながらそう言うと、宗谷はニッコリ笑顔になった。
宗谷
「うん!」
美音
「よし、じゃあ卵買わないとね♪」
宗谷
「たまご~たまご~♪」
美音
「あはは。ほら行くわよ?」
美音は宗谷の手を繋ぎ直すと、卵売り場へ向かった。
この日は、両親共仕事で夜遅くなってしまうという理由から、美音が料理をすることになった。
普段は母が作ってくれているのだが、一月に一度くらいのペースで美音に料理を任せるしかなくなってしまう時がある。
それがこの日だ。
二人は、オムライスを作るのに必要な材料を選ぶと、レジで買い物を済ました。
この店では、極端に買い物が少なくない限り、自分の手で商品を袋に詰めなければならない。
宗谷
「う~ん…お姉ちゃん袋に入らないよう?」
美音
「宗谷、今の言い方だと私が袋に入れられてるような錯覚に陥るからやめなさい」
宗谷
「えっ??う、うん。分かったよ」
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