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美音は風間くんの所へ手を上げながら駆け寄った。
美音
「お~い、風間く~ん」
風間
「ん、あっ!美音じゃん?」
美音
「久しぶりだね」
風間
「久しぶりって、いつも学校で会ってるじゃん」
美音
「ここで会うことが!だよ」
風間
「あぁ…確かにな…」
宗谷はさっきまで歩いていた所の直ぐ脇にあるベンチに腰かけながら、楽しそうに話してる二人をつまんなさそうにぼーっと見ていた。
だいたいいつも、美音が風間くんと話し出すと、10分~20分くらいは宗谷の所に戻らない。
だからいつも宗谷はその間、つまらない思いをしている。
…嫌だなぁ。
なんかあの二人見てるとなんとも言えない気持ちになってくる。
…妬きもち、かな。
この日の宗谷は、いつもとは違い、風間くんに対する妬きもちが強かった。
だから…
宗谷
「お姉ちゃん…」
宗谷は不意に車道へ飛び出していた。
美音の元へ駆け寄る為に…。
そして、その時、ちょうど車がすぐそばまで来ていた。
美音
「あはは。でさ――」
風間
「美音、あれ!」
と、風間くんが指差したのは宗谷だった。
そして、すぐそばまで来ている車…。
美音
「宗谷ぁぁぁ!!!」
美音は宗谷を守るべく飛び出した。
キキィー
車のもの凄いブレーキ音。
その刹那、美音は宗谷を抱き締めながら倒れていた…。
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