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お別れ会も終わり気づいたら もう朝の7時になっていた。
今日は雷と雨風が激しく降りそそいでいて
そんな日に限って 徒歩で店に来ていた私とルナさんは
さしても意味のない傘をささずびしょ濡れになりながら
マンション(寮)のルナさんの
部屋まで走って帰った。
―バタンッ
「うぇ~…靴ん中までびちゃびちゃ;;」
「自分はカツラが変に重くて
気持ち悪いです(泣)」
ホントに気持ち悪い。
これが他人の髪だと思うと
今更ながら気持ち悪さが倍増する。
―ピシャ───ンッ
「うわっ;;!!」
いきなり鳴った雷に私はつい
声を出してしまった。
雷は少しニガテなのだ。
「あっれぇ~遊叉 雷 怖いの~?」
……まだ電気をつけてなく 暗いが 時折 光る雷でルナさんの意地悪い笑みが見える。
…さばくぞ。
口に出さず そう思いながら
今いる玄関の電気をつけようと壁に手を滑らせるが 見つからない。
「ルナさん 電気―……?」
ルナさんに 電気をつけてもらおうと思い言いかけたら
突然 正面から甘い香りに包まれた。
……ルナさんに抱き締められたのか。
「……遊叉…」
「…どうしたんですか?」
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