トランプ

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「原田は俺のモンでもあるんだぜ?」 芙遊がそう言うと 彗は赤い瞳で睨みつけた。 …………―なんだ この空気。 てか 私は誰のモノでもないぞ(怒) てかてか このキス魔 一発殴っておこう。 ―と 遊叉が 目の前の彗に向かって構えたら 突然"名もない教室"のドアが開かれた。 ―ガララッ 「―遊叉!!」 そこに飛び込んで来た人物は 額に汗を光らす 蓮華 爽だ。 「……爽先輩…」 爽先輩が 息きらしてる…… もしかして 朝から授業でてなかったから 探してくれてたのか……… 「遊叉 居た!! もう遊叉どこにも居なくて 神那先輩が泣いてるよ!」 嘘だろ。 あきらか 嘘だろ。 何をテンパってるんだ? 爽先輩は ツカツカと教室(?)に入ってきて 私の手をとると なぜか 両手で私の耳を塞ぎながら ドアまで向かって行く。 ………なんだ? 彗と芙遊は 爽を睨みつける。 そして爽は 去り際にポソッと言葉を放った。 「……次、遊叉に近づいたら          ぶっ殺す。」 普段の爽からは 想像できない低い声で放たれた言葉。 芙遊は ククッと笑い 歩んで行く爽の背中を見下ろす。 「………ゲームの始まりだな」
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