冬祭り

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―高等部 保健室― 雲一つない快晴。 開け放たれた 保健室の窓のカーテンが 風に揺れる。 高等部保健医の 篠塚 聖(シノヅカ ヒジリ)は 怠くて眠りにきた(サボり)遊叉の 寝顔を覗いている。 「…………―サボり癖ついてる?」 「………。」←(シカト) 「……睫毛にゴミついてるよ」 「……―ぐぅ。」← 「…………―チッ」 …………舌打ちしやがった(怒) 篠塚は白衣の内側のポケットから 煙草を取り出すと 一本とり口にくわえ、火をつけた。 「………なぜ そこで吸う(怒)。」 「寝てるから。」 切るぞ(怒)。 私はこんな所で寝てる場合じゃ ないのだが いまTCの教室に居れる空気ではないのだ。 あの百合華の妊娠騒動も 片付いてなくて 昨日の彗とかトランプとかの事もあるし なんだか皆ピリピリしてる。 「……知ってる?」 「………?」 篠塚先生は煙草の煙りを ふわっと出すと ベッドの上に乗ってきて 顔を近づけてきた。
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